畳表は厳選された長くてしっかり成長したイ草の根と先端を取り除いた部分を原料に、経糸は麻糸や綿糸を使い、一枚約四千から七千本のイ草を使用して織られます。イ草の本数が多いほど良い畳表になります。使用するイ草は茎に変色や病気のない良質なもの、根本から先端まで長くしっかりとしたもの、太さや色調がそろっているものを選別しています。
良い畳表の見分け方
畳表畳表を選ぶには、ズバリ現物を見て、触ることです。良い畳表は密に織り込まれ、溝が明確、変色イ草の混入が少ない、光沢がよく表面が滑らかな感じに仕上がっています。このほかに触った感じで厚みがある、耳毛(畳表の両端部分)が長いもの、経糸が麻糸以上のものなどがポイントになります。そしてできれば安全・安心な国産畳表をお選びいただくことをお勧めします。
●畳表の選び方1【産地】
国産畳表
中国産に比べ、イ草に粘りがあり、自然な色合いで耐久性がある。価格は多少高いが普及品から特選品まで豊富。原料となるイ草の代表的な産地は、広島県(備後表)、岡山県(備前表)、高知県(土佐表)、福岡県(筑後表)、熊本県(八代表)、大分県(豊後表)などのほか、七島イ草で織った琉球表などがある。
ブランド畳表
最近では生産者が産地ブランドとしてオリジナル製品「ブランド畳表」づくりに取り組んでいる。様々な付加価値(土壌づくり・無着色・新品種・減農薬栽培など)を付けた製品や、生産者の顔をラベルに表示し、安全・安心を届ける製品もある。
中国産畳表
全体的な品質は普及品~中級品が中心。賃貸住宅等で多く使用される。価格は安いが耐久性が低く、着色料などが使用されているため自然な風合いに欠ける。栽培地は寧波、上海、四川などで、寧波地区が生産地。近年では栽培技術が向上し、質の良い畳表が生産されるようになってきた。
●畳表の選び方2【経糸・織り方】
経糸の種類
糸引き(綿二本)
綿々W(綿四本)
麻立て(麻二本)
麻綿々W(麻二本・綿二本)
麻々W(麻四本)
[画像準備中]
経糸の材質は綿より麻の方が、本数は一目に一本よりは二本の方が丈夫でより多くのイ草が織り込める。経糸の強さは「糸引き」「綿々W」「麻立て」「麻綿々W」「麻々W」と進むにつれて丈夫で高級な畳表になる。
織り方
普通目織り(ふつうめおり)
畳表の一目の中に二本の経糸を織り込んだもの。一般的な畳表に、もっとも多く用いられている。(経糸が四本のものはWと言う)
諸目織り(もろめおり)
[画像準備中] 普通目織りより目が細かい。
目積織り(めせきおり)
大目織り(おおめおり)
畳表の一目の中の経糸の間隔が普通目織りよりも幅広い。龍髭表(りゅうびんおもて)に使われる織り方。
●畳表の選び方3【畳表いろいろ】
中継ぎ表
良質のイ草を両端から通して中央部で継ぎ合わせる状態で織り上げる。書院・書院代用。六配、四配、二配などがある。また、手織と動力織りがある。
長髭
別名動力、長引。良質の長イ草で引通し織りにしたもの。特に麻糸を二本芯にしたものは超高級品。
引通し表
良質のイ草を両端に引き通りようにおり上げたもの。経糸綿と麻の二種類で、一般普及品の畳表は、ほとんどが引き通し織り。
飛び込み表
両端から交互にイ草を差し込み織り上げたもの。畳表の幅に対してイ草が短いため、両端の耐久力は劣る。大口工事用に使用されることが多い。
龍髭(りゅうびん)表
乾燥した良質の長イ草を選んで水洗い・天日乾燥を三回繰り返して晒したものを大目または小目に無地織りしたもの。主に床の間に使用される。
琉球表
七島イ草を目積織りで織った高級畳表。主に縁なし畳に使用される。使い込まないと普通の畳表より表面にガサガサ感があり目も粗い。
目積表
普通の丸いイ草を使用して琉球表と同じような織り方をした畳表。琉球表に比べ、見た目の良さと比較的安価なため、一般的な縁なし畳として使われる。
柄表
柄表専用織り気を使い、イ草の根本の白い部分と先の青い(草色)部分を使って市松模様等を出したもの。染色しないイ草を経糸の変化で模様を織り出したもの。畳表の中央に、一部または両端、さらには全体に柄の入ったものなどがある。
化学表
天然イ草を全く使用せず、天然の和紙やポリプロピレンなどを使って畳表風に仕上げた100%工業製品。天然イ草に比べ、摩耗耐久性があり、変色もしにくいが自然な色合いに乏しく香りもない。価格も割高。