畳まめ知識 その4 【畳床(たたみとこ)】

畳床は、畳の土台部分で畳としての機能・性能を決める大事な部分です。昔に比べて現在では付加価値を高めた製品(例:断熱効果の高い製品・健康に配慮した製品・自然素材の製品・バリアフリー対応薄畳など)が数多く出てきているため、住宅構造や生活環境の変化に伴い、使用する場所に最適な畳を選択することにより、快適な生活を送ることができます。

現在、さまざまな素材から畳床は作られているが、代表的なものは次の三種類です。

稲わら畳床

厳選した稲わらが原料の伝統的な畳床。主な産地は兵庫県や宮城県で、構造・重量・縫い糸間隔などJIS規格により等級・品質が決められています。わら床は良質の乾燥わらをきちんと配列して何層にも重ね、わらをつぶさずに一定の縫い目間隔で縫い込んで製造されます。構造では最低で四段、高級品は6段以わらを重ね、畳床に強度を持たせます。重量が重いほどより多くのわらを使用しており、長期間使用ができます。縫い糸間隔は細かいほどわらが締まり、厚さが一定し、ムラがなくなります。

長所

わらの持つ保温性、弾力性、吸湿性、吸音効果などによる室内の環境改善

短所

ダニなどの問題

畳職人の高齢化に対応できない
(建材床と比べ10kg以上重い)。

バリエーション

棕櫚裏床

棕櫚(しゅろ)の毛を編んでわら床の裏に縫いつけた床。耐湿、耐久性に秀でる。最高級品。

丹波裏床

強靱な丹波裏は、イ草であんだゴザをわら床の裏に縫いつけたもの。耐湿、防塵に秀でる。最高級品。

稲わらサンド床

ポリスチレンフォームを稲わらで上下から挟んだ畳床。わら床の弾力・吸音性とポリスチレンフォームの断熱性、さらに稲わら床より軽いと、それぞれの長所を併せ持った畳床。発売当初は急速に普及したが、ダニの問題や品質・性能が良くなった建材床に押され、最近ではあまり使用されなくなっています。

長所

ポリスチレンフォームによる高い断熱性
軽量

短所

ダニの問題
処分の際のポリスチレンフォームの環境負荷

建材畳床

稲わらを一切使用せず、たたみボード(TB)やポリスチレンフォーム(PS)などを単体、または組み合わせたりして製造された畳床。建材畳床もJIS規格により数種類あります。

バリエーション

オールボードタイプ

TBだけで構成した製品。素材が木質系原料のため環境負荷が小さくリサイクルしやすい。また、畳床への負担が大きい場所などに適している。同様にオールPSタイプもある。湿気が多い場所には適しているが、丈夫で強い畳表を使用すると畳が反り返るので注意する必要がある。

積層タイプ

TBとPSを二層に構成したもの。軽量で湿気に強いPSが下層部なので、湿気の多い床やコンクリートに直に敷く場合に適している。しかし、下層部がPS素材なので、何回か畳工事を行うと框部分が崩れたり、丈夫で強い畳表を使用すると畳が反り返る恐れがある。

サンドイッチタイプ

一般的に使用される建材畳床で、稲わらサンド床の建材床バージョン。PSをTBで上下から挟んだ製品。